水鏡の儀式

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痛い……!! メグはあまりの痛みに、声にならない叫びをあげる。 引きちぎれそうな化け物の腕に、床に落ちていたテレビのリモコンを投げつけた。 「アァァァァァァッ!!!!」 化け物は握っていたメグの腕を放し、苦しみ始める。 チャンスとばかりに痛む腕を庇いながら、台所へと走った。 スマホをポケットに入れ、台所の棚を開ける。 母が仕事でいない事が多いので、台所にはよく立つ。 その為、塩のある場所なんてすぐわかった。 袋に入った塩を手に取り、風呂場にすぐ向かう。 化け物が追ってきているのか、見たくも無かった。 今はただ、水鏡の儀式をやるだけ。 メグは風呂場に辿り着くと、電気をつけようと試してみる。 だけどつかない事は、なんとなくわかっていた。 それと同時に、3時を告げる時計の音が聞こえる。 急がなければ、夏はすぐ陽が昇る。 風呂場に入り、早速儀式を始めた。 袋から適当な量の塩を掴み、浴槽に手ごと突っ込む。 水中で塩を放すと、時計回りにかき混ぜた。 「アァァァ!!ワタシノカラダァァァァ!!」 リビングから聞こえるその声が、化け物が再び動き始めた事を教えてくれた。 急いで、でも冷静に。 そんな時に、頭に激痛が走る。
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