7人が本棚に入れています
本棚に追加
痛い……!!
メグはあまりの痛みに、声にならない叫びをあげる。
引きちぎれそうな化け物の腕に、床に落ちていたテレビのリモコンを投げつけた。
「アァァァァァァッ!!!!」
化け物は握っていたメグの腕を放し、苦しみ始める。
チャンスとばかりに痛む腕を庇いながら、台所へと走った。
スマホをポケットに入れ、台所の棚を開ける。
母が仕事でいない事が多いので、台所にはよく立つ。
その為、塩のある場所なんてすぐわかった。
袋に入った塩を手に取り、風呂場にすぐ向かう。
化け物が追ってきているのか、見たくも無かった。
今はただ、水鏡の儀式をやるだけ。
メグは風呂場に辿り着くと、電気をつけようと試してみる。
だけどつかない事は、なんとなくわかっていた。
それと同時に、3時を告げる時計の音が聞こえる。
急がなければ、夏はすぐ陽が昇る。
風呂場に入り、早速儀式を始めた。
袋から適当な量の塩を掴み、浴槽に手ごと突っ込む。
水中で塩を放すと、時計回りにかき混ぜた。
「アァァァ!!ワタシノカラダァァァァ!!」
リビングから聞こえるその声が、化け物が再び動き始めた事を教えてくれた。
急いで、でも冷静に。
そんな時に、頭に激痛が走る。
最初のコメントを投稿しよう!