水の鏡

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メグとアキミは結局、まともな計画もたてずにその日は別れる。 その帰り道、メグの頭の中では今日アキミから聞いた言葉が少なからず気になっていた。 都市伝説類いのものは今まで気にならなかったのだが、この『水鏡の怪』に関してはどうしても頭から離れない。 それにはメグにとって、大きな理由があった。 「シズクも、これが原因で……?」 記憶の中にいる、顔が思い出せない『シズク』という少女。 いつもアキミと一緒にいたはずの、クラスメイト。 なのにいつの間にかシズクは1ヶ月前メグたちの前から消え、シズクという存在自体がメグ以外の中から消されていたのだ。 何故シズクはいなくなったのか、存在自体が消されてしまったのか。 最後にシズクが携帯のメールで送ってきた、『浴槽の中に誰かいる』という手がかりだけで探していた。 もしかしたら、シズクの起こった事に近付いたかもしれない。 右手に握ったスマホを握りしめ、メグは決意する。 『水鏡の怪』、やってみよう。 幸い今日は夜、両親はいない。 隠れてやるには、とても最適な環境だ。 明日は学校も休みだから、ちょっとは遅くまで起きてても大丈夫だと軽い気持ちで考えている。 そう、このメグはほんの軽い気持ちだった。 少しでも真相に近づけたら、ただそれだけだったのに。 軽い気持ちはその後、恐怖のどん底を見る羽目になった。
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