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1……2……3……
心の中で必死に数え、目を逸らしたくなる本能をなるべく忘れようとした。
だけど怖い、水面を見るのが恐ろしい。
6……7……
心臓が高鳴る。
目には少し、涙を浮かべていた。
怖い、怖い怖い……!!
そんな思いの中、アキミの顔が浮かんでくる。
アキミの笑顔の隣には、いつも笑顔でいた少女。
シズク……!!
心の中で叫んだ瞬間だった。
突然スマホが、大きな音をあげて震えだす。
「いやぁぁ!!」
今まで堪えてきたのを全部吐き出したかのように、大声でメグは叫んでいた。
スマホの画面を見ると、着信中の文字と文字化けしている名前が映し出されている。
困惑しながらも、メグは震える指で通話に出てみた。
「も、もしもし?」
向こうからは、雑音と笑い声しか聞こえない。
だが今のメグには、それが恐怖でしかなかった。
身体を震わせながら、通話を切ろうとスマホを耳から離そうとした。
その瞬間だった。
『アタラシイカラダ、ミーツケタ』
声と同時に目の前から、激しい水の音が鳴り響く。
それと同時に、メグは頭の中で理解した。
灯りが少しでもあると、向こうの世界の住人がこちらへ呼び寄せてしまうよ。
スマホの明かりが、キッカケになってしまった。
目を大きく見開いて、その絶望を感じ取る。
水から飛び出してきたのは、白くて細長い腕だった。
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