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あの夏の日……
遠い遠い、あの日……
―――――*私はまだ小学生だった。
私達姉弟は夏休みになると少し離れた場所にある、母方の祖母の家で過ごすのが、習慣のようになっていた。
祖母の家は自宅と同じ町の外れにあり、周りを小高い山々に囲まれていて、
近くには一級河川の大きな川が流れていた。
今のように河川敷の整備もされているわけではなく、川の対岸には葦と見られる緑が、限り無く生い繁っていた。
伸び放題に伸びた葦は大人の背丈ほどの高さがあったかも知れない。
川幅の一番狭くなっている所には、橋が掛かっていたが……
橋の向こうへは渡ったことはなかった。
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