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底まで照らす暖かな日光
湖は色をより深く蒼く際立たせ
眠り続ける
あなたはわたしに必ず還ると
だから わたしはその時まで眠りにつくの
あなたを嘘つきだなんて呼ばせない
あなたは還ってくる
____縛り付けて
何度でも
幾重にも
呪って
狂気と見紛う あなたの優しさが欲しい
そうすれば わたしは眠り続けられる
仄暗い湖の底 わたしの小さな肺が悲鳴をあげていたって
あなたの鎖が
わたしをこの湖に引き留めていてくれる
暖かな日差しが わたしに降り注ぐ
疎ましい
わたしが求めているのはそれじゃない
お願い
わたしを起こさないで
いつまでも わたしを眠らせていて
あなたがいないこの湖
その鎖が腐らないように
甘い夢を観させてよ
夢見月の人魚
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