2人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
穴の煤で白い体の汚れた『母猫』のシェリーは、何度も何度も達泣いて誤りながら、みゃーーーーー!みゃーーーーー!鳴いてすがり付いてくる子猫達を前肢で撫でまわした。
「ううう・・・ゴメン・・・!!今さっきの言葉撤回するよ・・・!!
自分になんか出来る???」
野良犬のキィオは、顔を埋めて申し訳なさそうに猫のシェリーに聞いた。
「うん・・・なんか子猫に食わせるもの・・・ミルクがあれば・・・」
「ほいきた!!」
その様子を聞いていた、雑種犬のポンが叫んだ。
「僕のドッグフードをあげるよ!!」
「へ???」
「だから、僕のドッグフードを・・・」
「はあ???」
「だぁかぁらぁ!僕の!ドッグフードを子猫にあげるって???!!」
「ねえワンちゃん、気持ちは有りがたいんだけどさあ、猫がドッグフード食べないよ。」
白猫のシェリーは、冷や汗をかいて満面の顔を笑顔ではっ!はっ!と子猫を見つめる雑種のポンに言い聞かせた。
「そうなの?!」
「うん、そうなの。」
「残念っ!!」
ポンは、大あくびをするとそのままふて寝した。
「うんしょ!うんしょ!」
グーグーイビキをかいて寝ている雑種のポンの下から、一匹の猫が這い出てきた。
「あっ!あんた!ここまで来たの?!わざわざ!」
白猫のシェリーは、前肢をペロペロと舐めてすっとぼけているドラ猫に話しかけた。
「むにゃむにゃ・・・ん???んんん・・
ねえ、そこの猫さぁん!僕のドッグフード食べないかい?」
「フーッ!!」
ドラ猫は、ぶっきらぼうに話しかけてきた雑種のポンに威嚇した。
「ああ、すいません。怖い怖い・・・眠い・・・おやすみ。」
雑種のポンは再び鼻提灯を膨らませて、グーグー眠り込んだ。
「あ、始めまして。俺、『ユタ』だよ。無頼のドラ猫『ユタ』!!ヨロシク!!」
「・・・って、あたしが面倒見てるのに『無頼』は無いでしょ?」
「そ、それは・・・!!」
・・・何やってるんだろ?この猫コンビは・・・?
野良犬のキィオは、顔を舐めてきた子猫達をあやしながらじゃれ合う2匹の猫を眺めていた。
「おっ!!これがシェリーちゃんが言っていた捨て猫かい???
めんこいなぁーーーー!!!!」
みゃーーー・・・
みゃーーー・・・
みゃーーー・・・
最初のコメントを投稿しよう!