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「鉄臭いな」
謎の液体を嗅いだ感想は、それだった。何だか鉄臭い。
よもや血か。
突如、遭遇してしまった怪奇現象を前に何だか目眩がする。明日、このビックリ現象を友人達は信じてくれるだろうか。もはや恐怖やら困惑やらを通り越した少年は、ふむと考え込む。
「……写真撮っとくか」
素っ裸の少年は、いそいそと浴室から出て机の上に置きっ放しのスマホの元に向かう事にした。途中、浴室の前に転がった想い人の少女と目が合って、少年は今度こそ悲鳴を飲み込み損ねる。
しまった、こんな姿を見られるなんて!
1年は立ち直れなさそうな少年は、取り敢えず少女の目玉を潰す事にした。ああ、早く少女の返り血を洗い流さなければ嫌われてしまうと、そんな事を思いながら。
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