第1章

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ポツリと呟いた言葉は、誰に聞かれるでもなく 茜色に染まる空に溶けていった バンッ! 「起きろっ!敬一!」 「ぐえっ!」 突然の甲高い声と、鳩尾に当たった痛みに、無理矢理夢から引きずり出された 「あにずんだよ…」 「ああ?日本語喋れ」 うずくまる俺を見下ろし言う、この女は俺の妹だ セーラー服を纏い、長く艶のある黒髪、眼はパッチリの二重、色白で見た目モデル並みのスタイル だが 「さっさと起きろ、電話だ」 口が、すこぶる悪い 「お前なぁ、仮にも俺は兄貴だぞ?もう少しお越し方があるだろう?」 「どんな?」 妹は仁王立ちしたまま言う 「そうだなぁ、例えばこう『お兄ちゃん朝だよ起きて』と優しくだな…」 俺がチラッと妹を見ると 「分かった、こう?」 突然ベットに片膝を置き、手を着くと 「お兄ちゃん朝だよ起きて」 ウルウルとした眼に頬を僅かに赤らめ、甘ったるい声で言う 長い黒髪がヤケに色っぽく垂れ、俺の頬をくすぐった 「お兄ちゃん…」 ゴクッ… ヤバい!妹に何発情してんだ俺っ! ゴンッ! 「ぐっ!」 「さっさと起きて飯食え」 撃沈…
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