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リビングに降りて行くと、俺宛ての電話が受話器を外したまま待っていた
「和兄からだよ」
妹がキッチンから言ってくる、受話器を耳に当てると
『てめぇは何分待たせんだ?』
ドスの利いた声の後ろから聞こえる声に、俺は妹の一撃の痛みを忘れた
『殺人事件だ、場所は××町上沼、直ぐに来い、後携帯の電源入れとけ!』
ブツッ!
「・・・・」
携帯の電源?
「敬一」
受話器を持ったまま振り向くと、妹が見事に破壊的ダメージを負った携帯を手にしていた
「なっ!俺の携帯!」
「私じゃないよ、昨日敬一めちゃくちゃ酔っ払って帰って来て、自分で破壊したんだよ?」
破壊したんだよ?
「俺が自分の携帯破壊って証拠は」
俺はムスッとして妹に詰め寄った
「知らないよ!私が玄関に行ったら、スマホと同じようにボロボロになってたんじゃん!覚えてないの?どんだけ飲んだだよ!」
俺がボロボロ?
記憶が無いほどに?
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