第1章

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小学校の頃、俺は近所のマサヤとカオリの2人と仲が良くて毎日のように一緒に遊んでいた。 テレビゲームやカードゲームが好きで、3人で取り合いになったりもしていた。 そんなある夏休み、マサヤから1つの提案が出された。 「ケイ君、夜の黒川池に自分の顔を写すと将来の結婚相手の顔が見れるって噂、知ってる?」 「なんだ、それ」 俺はマサヤを見て首を傾げた。 黒川池は家から近い場所にあるからよく3人で遊びに出かけていたけれど、そんな噂を聞いたのは初めてだった。 「今夜、3人で試してみない?」 マサヤにそう言われ、俺は曖昧に頷いた。 別に、自分の結婚相手の顔なんて興味がなかったし、怖がりで泣き虫のカオリが一緒だと思うと少しめんどくさかったからだ。 「もしかしてケイ君、夜に黒川池に行くのが怖いとか?」 「ばか! そんなわけねーだろうが!!」 俺はマサヤにそう言い返して、3人で黒川池に行くことになったのだった。
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