危険な海岸

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学生だった僕は夏休みになると男友達に誘われて、隣町にあるその海岸へ泳ぎにいったんだ。 ・海の魔物・天国のような快楽 その2つの言葉は男子学生には魅力的な素材。 「もし、おかまくらげに刺されておかまになったら、ファーストキッスはお前にやるよ。」 青春の盛りの男二人の会話なんてそんなくだらないことが楽しい。 汗をかきながらアップダウンの激しいくねくね道を、自転車で走っていく 狭い道を抜けると、遊泳禁止の看板が僕達を迎えてくれた。 「あっじーよー早く泳ごうぜ。」 強烈な太陽と戦っていた僕達は、急いで水着に着替えて岩場から海へ飛び込んだんだ。 「うひょー最高だな。」 泳いでいるのは僕と友達だけ。たまに釣り人はいるみたいだが、今日は誰もいない。 プライベートビーチと化した恐怖の海岸で、僕と友達はふざけながら泳いでいた。 「女の子がいないと寂しいな」 「そうだお前クラゲに刺されろ」 「嫌だお前がやれよ」 「まあ、おかまになったら僕の方が美人だけどな」 そんな会話をしながら、僕達はおかまくらげを探し始めた。
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