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家を出る時に、自分で自分にツッコンだ。
オイオイ、俺……
流石にノートパソコンは要らんだろ?いるのは小銭と暇つぶしの為の文庫本くらいだろ?
こんな所にまできて、しかもお盆休みなのに仕事から離れられないって……どんだけ仕事が好きなんだよ。帰省中は絶対に仕事はしないと決めていた。だから俺は身軽に徹して玄関に向かう。
……が、
「あんた、大池行くんでしょ?はい!これ」
母ちゃんに袋を渡された。
中には家の井戸水でよく冷えたキュウリ4本と赤いキャップの塩が入っていた。
まぁ確かにガキん時、よくキュウリを持って河童に会いに大池に行ってたが……
身軽に徹するつもりだったが。
だが、パソコンよりも役に立つだろう。
腹が減ったらおやつにでもするつもりで袋を受け取った。
青々した田んぼを眺めながら、大池の方へ歩く。
青い空と入道雲のコントラストを眺めて、絵に描いたような夏の空を見上げる。
子供の頃はあの雲がいろいろなものに見えたな。
今の俺には雲にしか見えないや。
頭が固くなってるんだろう。
きっと、こんな俺にはもう写真なんて撮れないだろう……
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