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苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい。
「ごめんなー」
俺が水から這い出そうと足掻いていると、水面の向こうの俺が口を開いた。
「都市伝説の噂流しとくから、堪忍なー」
あぁ、そういうことだったのか。
奴の台詞を聞いて、するりと俺の中で全ての合点がいった。
未水様は未来の自分、そう夏海は言っていた。
あれは未来の自分が水面に映るという意味では無かったのだ。水面に映った者が明日からの自分に"なる"、そういう意味での"未来の自分"だったのだ。
俺は足掻くのをやめた。
きっと俺はここから出れない、誰かが未水様を呼び出さない限りは。
そして俺は未来のそいつとして生きるしかないのだ。
文字通り水の奥底に沈む意識の片隅で、泣きそうな俺の声が聞こえた気がした。
「ごめんな、ごめんな…… "ヒロやん" 」
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