午前2時の浴槽

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「夏海変わっててビックリしたよ」 少し歩いたところで俺は話を切り出した。 「え?」 また、夏海が少し緊張気味な反応を見せる。 「ああ心配しないで、悪い意味じゃないよ。その、なんていうか」 言い出そうとして、少し戸惑った。頬の辺りが熱くなっているのが分かる。 「なに?」 夏海が無邪気に顔を覗き込んで訊いてくる。 「その、可愛くなったなって」 夏海の顔がみるみる赤く染まっていく。 「う、ウチもびっくりしたんよ。なんか顔つきとかも大人になっとるし、なにより標準語になっとったから」 ああ、確かに。 3年間東京の学校で過ごしたせいで、関西弁は少し忘れてしまった。 「なんかもうウチの知っとるヒロやんちゃうんかなーて」 「夏海……」 「かっこよくなって、ウチの事なんて忘れてしもたんかなーて」 「そんなことない!」 突撃俺が大声を出したからか、夏海は驚いてしまった。 「あ、ごめん……」 その後はしばらくお互いを意識して、どちらも喋らなかった。
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