プロローグ

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鍋の蓋を開けて、最後の味の確認をしていると、キッチンの入り口からぴょこんと顔が現れた。 「ママ、ご飯できた?」 今年3歳になった娘は、今日のメニューが大好物カレーだと分かってから、ずっとこの調子だ。 「うん、完成!」 大きく丸印を作ると、嬉しそうにその場で足踏みをする。ちょこちょこ歩き回って危ないため、キッチンは立ち入り禁止にされている娘は本当は走ってきて喜びを伝えたいのだろう。代わりに近づいて抱き上げてやる。 「やったー! カレー! もう食べる? もう食べる?」 腕の中でもきゃっきゃと喜ぶ娘が可愛くて、思わず顔がほころんだ。
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