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高校時代
高校受験も伝統校と言われる県立、難関と言われる私立も受かり、当然のごとく県立に進んだ。高校に入学すれば、普通の生徒は部活をどうするかを考えるだろう。
けれど私は違った。部活に入ることなど考えてもみなかった。
ああ、人生の中で最も楽しかるべき青春時代に私はなんてことをしてしまったのだ。部活をやらないからといって別に勉強が好きなわけではないのだ。そんなわけで、同じ帰宅部仲間とそそくさと帰り、部活をやっている連中よりだいぶ早く帰宅する。
4時半には家にいたのではないだろうか?
そんな早く帰ってきて、高校生の私は何をしていたのだろう?
テレビの青春ドラマを見ていたり、ラジオで音楽を聴いていたような気がする。
同じ時間に同級生は苦しい部活の練習に耐え、がんばっているのだ。私は彼らを非常に羨ましく感じ、家でくすぶっている自分は一体何なんだろうという後ろめたさを感じることもあった。
さて、帰宅部仲間の1人が2学期に入ると、応援指導部に入ると言い出した。せっかくの青春時代、何かにかけてみたいという動機だった。私も入らないかと誘われたが、入部することはなかった。
やりもしない勉強というしろものに囚われ、がんじがらめにされている感じだった。なんとなく疎外感を感じるようになったのもこの頃である。
中3のときの同級生でミッション系の高校に通っている好きだった女の子に思いきって今の心境を手紙に書いておくったことがあった。勉強、勉強の毎日の閉塞感を訴える私に彼女は勉強ノイローゼになったかと心配の返事をくれた。
勉強はほどほどにして、文化祭や体育祭を楽しんだらどうかというアドバイスをもらった。それは確かに日常生活があまりにも勉強に傾いていてバランスの悪い私には最適のアドバイスであった。
つまり、人間関係がうまくつくれず、つまらない学校生活を送っている自分を再認識したに過ぎなかった。
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