1 レッドドラゴン

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「うお、高っけー! あの上まで登るんだな」 急勾配を登り始めたコースターに、秋哉は元気にはしゃいでいる。 ぶんぶん腕を振り回すたびに、鈴音たちも乗った同じ車両がグラングランと揺れた。 景色はぐんぐんと開けて、体感ではほどんど真上へ登っていくに等しい。 左右に柵もない真っ青な空が真正面に見え、思ったより心もとないシートベルトに少し不安になってから、やっと思いついた。 もしや春一も絶叫マシンが苦手なクチなんじゃないかしら? そこで、 「春さん?」 無理やり首を回して見れば、春一は、 「ん?」 いつもと変わらぬ笑顔。 「ほら、もう付くぞ」 そう教えられて前を向けば、コースターは一番高い場所、てっぺんだ。 そして一気に真下に向かって急降下する。 「キャーッ!」 「ひゃーほーっ」 「鈴ちゃーん!」 誰が誰やわからない叫びが、コースター上に響く。 てんでに大騒ぎ。 さすが園内1の絶叫マシンだ。 体にかかるGの迫力は最高で、鈴音は冬依にしがみつかれて思わず大笑いした。
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