2 ウォーターショット

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ピンポン、パンポーン 「ご来場の皆さまに迷子のお願いを申し上げます。小学2年生の女の子、三井アヤミちゃんを探しております。園内におひとりでいるお子さまを見かけましたら、お近くの係員までお知らせください。繰り返します――」 鈴音はその放送を、頭の隅でぼんやりと聞きながら、 「……観覧車は諦める」 ガクリとうなだれた。 その一言を、 「賢明な判断だよ鈴ちゃん」 冬依だけが褒めてくれる。 だったら、 「遊園地の定番、お化け屋敷に行こうよ鈴ちゃん」 冬依が手を挙げて提案した。 「……」 鈴音は思わず返事に困る。 「あれ? 鈴ちゃん。もしかしてお化け屋敷ってニガテ?」 ニッコリ天使の微笑みを浮かべる冬依に、 「に、苦手ってほどじゃないけど……」 ライド式のお化け屋敷ならわりかし平気なのだ。 目をつぶっていても、勝手にゴールまで連れていってくれる。 だけど歩く方はダメだ。 ただでさえ方向音痴の気がある鈴音は、あの暗闇の中、まともにゴールできた試しがない。 そしてアイランドパークのお化け屋敷は、歩くタイプだった。
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