4 バーガーショップとカフェテリア

3/10
182人が本棚に入れています
本棚に追加
/168ページ
さて、座ってかき氷を食べたら、逆にお腹が刺激されたようだ。 「腹へったぞ!」 「うん、そうだね」 秋哉が言って、妙な空気になってしまった場を変えるためか、冬依も素直に同意する。 「じゃあ、少し早いけど昼飯にするか」 春一が空になった紙カップをひとつにまとめ、 「この近くだったら、バーガーショップとカフェテリアがあるみたいだぜ」 夏樹が園内地図を広げて教える。 「オレどっちでもいー。食えるなら」 「僕は座れる方」 「じゃあとりあえず行ってみるか」 春一がさっさと決断をくだし、そこでようやくハッと思い出した。 「鈴音は、どっちがいい?」 「……どっちでもいいです」 本気でどちらでもいいのだが、どうして拗ねたような声に聞こえてしまうのだろう。 兄弟のすばやいテンポに、鈴音だけがいまいちついていけない。
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!