4 バーガーショップとカフェテリア

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でも、目の前の料理の山を次々とたいらげていく、豪快で元気な秋哉や冬依を見ていると、鈴音もなんだか幸せな気分になってきた。 絶対ムリだと思えた食事の皿を、綺麗にしかもおいしそうに、片端から空にしていく。 そんな弟たちの姿は、頼もしいというか微笑ましいというか。 普段から面倒見のいい春一は、いつもこんな気持ちで、弟たちのことを見ているのかもしれない。 つい春一の気持ちに同調して、 「家に子どもがいるって、こんな感じかなぁ」 呟けば、 「え?」 「……え」 驚いた顔でこちらを見る春一。 バチリと目が合う。 「えっと」 「……」 ふたりして顔を赤くしてうつむいてしまう。 春一と鈴音。 婚約こそ相調ったが、春一とそういう関係を結んだのは、実はまだ一回きりという体たらく。 やはり弟たちと同居しているマンションでは、いろいろとタイミングが難しいからだが、要はヘタレなのだ。 そんな春一と鈴音の間で、子どもの話題などちょっと早すぎる。 「いえ、あの、私には兄弟がいないので、なんかいいなぁと思いまして」 「うん。まあもうみんな、鈴音の弟みたいなもんだし」 「……」 傍から聞いていても、実にアホらしい、こっちが恥ずかしくなるバカップルな会話だ。 隣にいるのに、すっかり存在を無視されている夏樹は、 『やってらんねー』 嫌気がさして、深いため息をつく。
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