5 総合案内所

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その時、春一が持っている携帯のラインが動いた。 『家族』のグループに夏樹のアイコンがあがってくる。 『見つけた。芝生広場』 『了解、合流する』 間を置かず秋哉の返信。 春一は急いでアイランドパークの地図を広げ、芝生広場の場所を確認した。 パークの東ゲート側だ。 秋哉や冬依がいるカフェレストランからは一直線だが、春一がいるメインゲートからは、屋内型のゲームセンターの建物を越え、ジェットコースターの下をふたつくぐり、観覧車の脇を抜けなくてはならない。 そして東ゲートは駐車場に面している。 自家用車でこのアイランドリゾートを訪れた者が利用する出入り口なのだ。 春一は、とっくに決断した考えに則って、弟たちに舵取りを示す。 『写真を』 すぐに夏樹から、遠目で横向きだが、女の子の写真が送られてきた。 春一たちが昼食をとったのと同じような、パラソル付きのガーデンチェアに、足をぶらぶらさせて浅く腰掛けている。 青いTシャツ、茶色い半ズボン姿。 園内放送の通りの恰好だが、頭には目深にキャップをかぶっている。 そして向かいの席に座るのは、若い男。 その写真を、春一はインフォメーションの女性に見せた。 「うちの連れが、この女の子を見つけたんです」 スマホの画面を見て、女性は首を傾げる。 「女の子?」 女の子はキャップの中に長い髪を隠していると鈴音は言った。 そこが春一が引っかかった理由なのだが、やはりインフォメーションの女性には、写真の子が女の子だとピンとこないらしい。 保護者に顔を確認してもらう必要がある。 『もうしばらく、時間をかせいでくれ』 指示を送りながらも、歯を食いしばる。 すぐにでも弟たちの元に駆けつけられないのが、悔しい。 『現場の夏樹の判断に任せる』
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