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すると、
「――あ」
鈴音が小さな声を出して、顔をあげた。
そして夏樹に、
「秋哉くんと冬依くん」
遊園地側からやってきたふたりの姿を教える。
夏樹は鈴音に、
「自然に立って、あっちからふたりの姿を隠してくれ。ラインする」
命じて、すばやく、
『来るな、その場待機』
指示を送る。
その時、ふっと夏樹の顔に影がかかった。
「はぁ?」
と思う間もなく、鈴音の腕が夏樹の頭に回される。
ちょうど頭を抱きしめられるような格好だ。
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