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「――!」
「!」
「――」
あっちこっちから無言の叫びがあがっている。
声としてはひとつも聞こえないが、夏樹の耳には十分に届く。
ラインの文字が冬依と秋哉、交互に上がってきた。
『ふざけんな!』
『!!!』
『夏兄、そこ代わって』
『!』
『こんなことしてただで済むと思ってんの』
『(T_T)』
『夏兄』
もう夏樹は可笑しくてしょうがない。
声を出さずに笑いを耐えるのに必死だ。
黙っているがこのラインの文字、春一はどんな気持ちで見送っているのだろう。
想像すると、なお楽しい気分になってくる。
そして同時に、
……。
表現できない感情が夏樹の胸を占めた。
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