5 総合案内所

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「――!」 「!」 「――」 あっちこっちから無言の叫びがあがっている。 声としてはひとつも聞こえないが、夏樹の耳には十分に届く。 ラインの文字が冬依と秋哉、交互に上がってきた。 『ふざけんな!』 『!!!』 『夏兄、そこ代わって』 『!』 『こんなことしてただで済むと思ってんの』 『(T_T)』 『夏兄』 もう夏樹は可笑しくてしょうがない。 声を出さずに笑いを耐えるのに必死だ。 黙っているがこのラインの文字、春一はどんな気持ちで見送っているのだろう。 想像すると、なお楽しい気分になってくる。 そして同時に、  ……。 表現できない感情が夏樹の胸を占めた。
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