第1章

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本当にこれでいいのだろうか…… 自分に問いかけた。 でも、私は心を決めた。 これから、失われた時間がここに書かれていくことになる。 表紙を見つめた。 何かタイトルを付けたいと思った。 しばらく考えていた。 そうだ。 ただ記憶の整理のためだけに書くんじゃなくて、失われた物語をちゃんと書き留めたい…… そう思った。 すると、今書いたのは、少し違う。 私は、引き出しから別の新しいノートを取り出した。 少し考えた後、表紙に 『私と二人の物語』 と、書いた。 しばらく、そのタイトルの韻を声に出さずに唇だけで読んでいた。 うん、これでいい。 私は、そのノートの表紙をめくると、見開きを手で押さえた。 ペンを持って、その書き出しを考えた。 でも、今日の今日で、書くにはまだ早いか、と思った。 それに、まずこっちに書くのは今日から始まった物語の方。 2年前の物語は少しずつ集められた思い出を紡ぐ必要がある。 明日はゆっくり話が聞けると思う。 私は二冊のノートを引き出しにそっとしまった。 ふと横に置いたスマホが目に付いた。 「そっか……メアド」 私はスマホを手に取ると、メアドを変更しておいた。
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