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しばらくすると鈴音の体がピクンピクンと反応し出した。
逃げていこうとする腰を捕まえて、ようやくみつけたそこを執拗に責めてやれば、シーツを握る手が解かれて上へあがっていった。
やがてくぐもった声と共に、鈴音の体が上下に揺れる。
揺れる。
悩ましげな呻きは、自分で自分の口を塞いでしまったせいなのか。
そんなことせずに、聞かせてくれればいいのに。
腰を捕まえて強く刺激してやると、腰を浮かせて背を反った。
でも春一はまだ離してやらない。
しばらくじっとして、全身の痺れに鈴音が身を震わせ終わるのを待ってから、少しだけ場所をずらせて、また愛撫を再開する。
「くうっ……」
多分、普段の状態より敏感になっているはずだ。
春一がそこまで導いた。
だからこのチャンスを逃すまいと、普通なら他人に触れさせるわけはないところにまで、春一は舌を這わせる。
鈴音の体は自分の意志とは裏腹に反応する。
拒絶や嫌悪より、春一が与える快感の方が勝っているのだろう。
足を閉じて逃げる様子はなく、身悶えするように動いている。
どうしようもなく漏れ聞こえてくる声も、甘い。
「……はぁっ」
見ることは出来ないが、鈴音がイヤイヤするように首を振っているのが、シーツの擦れる音で伝わってくる。
そことさっき見つけた箇所を同時に指で責めてやれば、鈴音はわれを失ったような反応で春一にそのときを教える。
「……」
だけど春一はただ丁寧な愛撫だけを鈴音に与え続ける。
春一は割りと執念深い。
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