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さて春一も手加減どころか、吹っ飛びそうになる理性を保っているだけで精一杯だ。
春一の全身が、心臓になってしまったかのように脈打っている。
何も言わなくても体中で鈴音に夢中だと叫んでいる。
「鈴音」
乱暴にしてしまいたいけれど、ただ耐える。
荒くなろうとする呼吸を、ひとつ息を吐くことで落ち着かせる。
まだ責め続けたい。
終わりたくない。
このまま、ずっと、鈴音とつながっていたい。
鈴音は春一に責められるたびにビクンビクンと体を揺らして感じていた。
こんなにも素直に受け止めてくれるなんて光栄だけど、もともと敏感すぎる体質なのか?
いいや。
春一が休ませてやらないだけで、少しでも間違えると戸惑ったように腰を引く。
自分で自分のイイところを知らない証拠だ。
考えごとをしたせいで、鈴音がふと目を開けた。
気だるげに腕を持ち上げて、春一の胸に触れてくる。
なんだ、と待ち構えていれば、唇を震わせて何か言った。
春一は伸ばしてきた鈴音の手を取り、指を絡ませてシーツに押し付ける。
鈴音の顔は、いろんなものでぐっしょりと濡れている。
そんな顔は春一の欲求を刺激し、なお一層にそそる気分にさせる。
『ダメだ、止めらんねぇ』
また強く身を沈ませて鈴音を大きく泣かせてから、じっくりと観察する。
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