永遠に嘘はない

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春一が鈴音を見つめていると、やがて鈴音は小さく息を飲んで、春一を見返してきた。 ようやくそれで春一もはっと我に返る。  ……俺、今どんな顔してる? 冷静でいたいと思ったが、余裕を保った表情でいられただろうか。 おちついた態度で振舞って、鈴音を不安にさせたりはしていないと思うが、どんな眼で鈴音を見ていた? 夢見心地だったはずの鈴音の瞳に、たちまち理性の色が戻ってくる。 少し驚いたような目の色で春一を見あげた。 怯えられたわけじゃないことに、少しだけホッとしたが、春一は全身を焼き尽くしかねない劣情が冷めてくれるのを、目を閉じて待った。 いつもの顔つきに戻すつもりで眉間の辺りに意識を集中してみるが、上手く顔を作れたかどうかわからない。 仕方ない。 春一は鈴音が知っている以上に、鈴音に夢中なのだ。 最初から余裕なんか、ない。 必死で取り繕おうとしているだけだ。 バレたからにはもう誤魔化すしかないと、春一はずいと鈴音に顔を近づける。 「……俺を見ないで」 鈴音が目を閉じるのを見届ける前に唇にキスして鈴音を塞いだ。 鈴音の視界を覆う。
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