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黒く長細いそれは、壁をつたい浴槽に浸かる私にどんどん近付いてきます。
私はたまらず助けを求めました。
「お母さん!」
風呂場から、台所にいるであろう母親を呼ぶと、「はいはい、なあに?」とのんびりした様子でやってきました。
「これ、取って?」
私がその物体を指差すと、母親は「ああ~」と言っていったん風呂場から出ていきました。
私はその間も、それを凝視しながら身を縮めていました。早く母親が戻ってくるのを祈りながら……。
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