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ああ、まただ。
ぴちゃ、ぴちゃ、と、濡れた足音が聞こえてくる。
その音は、次第に大きく、耳に響くようになる。
私は、自身の脚の間から、その音の主を引き摺り出すと、身体の割りに異様に大きい、蛙のようなその頭を潰した。
「ぎゃ」
ソレは小さく音を発すると、すぐに動かなくなる。
私は粗い息を吐きながら、ソレを見ていた。
でも、私の意思とは関係なく、私の目は閉じていった。
ぴちゃ、ぴちゃ。
ああ、まただ。
ぴちゃ、ぴちゃ、と、濡れた足音。
そう、何度目だろう。
また、あの音が、私の耳に、
聞こえてきていた……──。
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