第1章

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山部さんの同期である中川さんが死んだ件で何か腑に落ちないことがあったようだ。 俺に言わせればあの三年前の戦いはおかしいことだらけだ。 敵に情報が漏れているんじゃないかとか何度も考えたほどだ。 先にも言ったが俺の同期はあの戦いを期にほとんどの者が自衛隊を去って行った。 かなりの厚遇を約束されていながら。 それは後ろめたいことがあるからなのか。 山部さんの辛そうな横顔を気づかないふりをして見送る自分に少し嫌悪感を覚えながらも同期を信じたい気持ちは自分の心を照らす一筋の光のように感じるのだった。
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