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***
「ゆり先生!」
「あっ、ソウゴくん。こんにちは。」
「こんにちは。」
その日、廊下を慌てて走っていると、ゆり先生がいた。
ゆり先生は笑顔とちょっとの早口で、こんにちはと僕にいう。
「ん、ソウゴくん。どうしたの? そんなに走って。」
僕が走っているのが可笑しかったのか、笑ってそう言うゆり先生に僕も可笑しくなる。
でも、いや、どうだろう。
ゆり先生はいつも笑っているから、本当に可笑しくて笑ったのかは分からない。
「コウジがいなくなった! ゆり先生しらない?」
「ーーーーーえ?」
突然、ゆり先生の動きが止まった。にぃと上がっていた口の端がだんだんとおちていく。
一直線になったそれは、震えているようにみえる。
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