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ここはトマトの王国トマティア。
そこには一人の王女がいた。気品に溢れ、国民からも支持が高く誰からも尊敬され、愛される王女がいた。
彼女の名はトレイシー
彼女の物語が今始まる
王である父マケチャト3世は長年に渡る隣国との争いを平定し,平和をもたらした英雄と仰がれていた。
しかし子宝には恵まれず、王妃との子どもは一人娘のトレイシーのみであった。
そのトレイシーも少女時代はじゃじゃ馬娘でいたずら好きの娘であったが、大人になるに連れて落ち着き始め、気品溢れる女性になっていった。
「お父様!縁談の話など聞いていませんわ。私は心を許したお方でないと契りを結ぶのは嫌だと知っているでしょう?」
トレイシーは王が持って来た縁談をことごとく断っており、王はそれを悩んでいた。
「しかしトレイシーよ、そろそろそなたも婿を貰い子どもを作ってもおかしくない年齢。いつまで意地を張っておるのだ」
「お父様、あなたには分からないでしょうね!婿に貰えば同じや同じや思ってうわああああはぁっーん」
「はぁ…いつもこれだ」
王は呆れ返り困っていた。トレイシーも立派な女性として育ったのだがそこだけが問題だった。
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