第1章

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四国のある村に、小さな川が流れていた。 名前は河内川と呼ばれていた。 その村の人口は少なく、子供の数も、少なかった。 夏には子供達がその川で泳いで遊んでいた。 しかし、村の昔からの言い伝えで、お盆には絶対にその川で泳いではいけないと言われていた。 8月14日から、8月16日までその三日間は決して泳いではいけないと言われていた。 その理由は、無縁仏さんが彷徨い、寂しさのあまり、生きた人間を引きずり込むのだと言われていた。 今までにもこの時期に泳いで子供がなくなっている。 それを知っている、村の人々は決して、自分の子供を泳がさなかった。 そして、人魂をこの時期に見る人がよくいた。 だから、夜に川に行く事もなかった。 しかし、時代の流れとともに、言い伝えは迷信だと若者たちに言われるようになっていく。 ある年の、お盆にこの村に帰省していた家族がいた。
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