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おばあは、子供達の傍に来ると、
「大丈夫だったか、誰か大人がついて行けと言うたのに、誰もついて行かんから、おばあが来たんや。」
おばあは、川の中にいるよしきの手を握り締めて、引き揚げていた。
おばあの手は温かかった。
よしきも、やっとほっとすることが出来た。
今まで泣いていた誠二も、泣き止み、黙ってよしきを見ている。
新一は、緊張の糸がとれたのか、涙が止まらず泣き続けていた。
おばあは、新一の背中をよしよしとなでながら、あやしていた。
「さあ帰ろう。おばあが言うた通りやろ。お盆にかわに、はいってはいかん。」
新一とよしきと誠二は、「ごめんなさい、もう二度と川には入りません。」と言うと、おばあの顔を見た。
おばあは、しわくちゃの顔をさらに皺くちゃにしながら、笑っている。
3人がホッと一安心してさあ帰ろうと新一が言うと、おばあの姿はそこにはなかった。
3人は慌てて、おばあを呼んだが、どこにもいなかった。
また急に怖くなって、3人は自転車に乗り、家に帰った。
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