第1章

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娘に喝を入れらる。 「い~い?失敗したらみんなの魂も体も消し飛ぶかあの川のやつに取り込まれるかもしれないんだよ。お願いだから集中して、たか君はその体にお父さんと一緒にちゃんと居るから」 そう言うと鞄の中からペットボトルに御札を張り中に水の入ったものを出した。 その瞬間部屋の温度が急激に下がりこめかみと足元が締め付けられるように痛くなる。 苦痛に歪んだ顔をする俺を見て優莉は 「まだ残ってるのね」 その時俺を見て死んだ魚のような目をした隆俊の顔が自殺しようとする数々の場面がフラッシュバックし、俺を見て悲しそうな優莉の顔が次々と浮かんでくる。 なんとか負けるか!と気を強く持ち優莉を見るとペットボトルの他に水の入った瓶、水晶らしき石と紫の石、砂、塩、木の欠片、砂金らしきものが入った器を杯に入れていた。 作業を終えた優莉は 「お父さんちょっとごめんね」 と言い右掌で思い切り背中を叩くするとずるずると鈍い音を立て黒いものが俺から剥がれて行く、その黒いものがまた俺の中に戻ろうとすると素早く 「破!」 と鋭い声を出し思い切り鋭い矢で黒いものを縫い止める。 黒いものは苦しそうに蠢き 「あぁあぅう゛」 悲鳴とも取れる声を上げる抜くと黒い影と化した黒いものがバケツの水の入った! 優莉は素早い動きで鞄から出した金や石等でバケツを囲む。 囲み終わると祝詞を唱え出す。 バケツの中の影は苦しそうな声を上げながらいびつに形を変えていく 「お父さんこれ私と一緒によんでお母さんは分かるよね」 渡された紙には先程から優莉が唱えている祝詞が読み仮名付きで書かれていた。 俺と優莉と鞠子の心が重なるかのように読み上げていく祝詞は独特だが気持ちがかるくなるリズムを感じる。 すると一気に影が小さくなっていく。 三人で祝詞を唱えながら周りを囲っていたものを優莉が何かの順番があるかのようにバケツに入れていく。 すると次第に影が浮かんでくる。 そこへ水晶を入れたとたん影が水晶に吸い込まれていく。 すると体から俺が抜けて行く 「もう優莉達とお別れのようね」 鞠子か寂し気に告げる。 「優莉、嘘付いてごめんね」 鞠子が俺の半透明の手を取り少しずつ上へ上がって行く。
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