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「・・・どう、って?」
ヒメにはミーアの意図が分からない。
「だーかーらぁ、ヒメちゃんと先生って特別な関係なのかなぁって思って。
だってあの先生が頭撫でたりとか『ご飯食べろよ』とか、見たことも聞いたこともないしっ。」
先程の別れ際の行動が、普段のシリウスとは違うということらしい。
「そう言われても・・・。」
(先生とは昨日会ったばかりだし、特筆するようなことは・・・。)
「そうなの?」
う~ん、私の勘が狂ったかなー。
「あ、昨日は先生の部屋に泊めてもらったけど。」
「あるんじゃん!」
ガタンッと椅子を鳴らして立ち上がるミーア。
それから、周囲から向けられる視線に気付くと、「いや、何でもないの、あはははは。」と両手を振りつつ、椅子を引いてストンと腰を下ろした。
キョロキョロと見回して周囲からの注目がなくなったことを確認すると、また声を潜(ひそ)めて話し出す。
「その・・・先生に何かされた?」
「? 朝ごはんを作ってもらったけど。」
「(先生ってば、ああ見えて家庭的?・・・って、そうじゃなくて・・・っ)まぁ、なにもなかったなら良いわ。」
ため息をつくミーア。
「ていうか、何かあったら教えてね!絶対!」「う、うん・・・」
押され気味に頷くヒメ。
ミーアもやっぱり女の子、恋愛話は大好物らしい。
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