第5話

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『銀の守姫』とは、銀の髪を持つ王家の姫に与えられる称号のようなものだ。 5、60年に1人生まれる銀髪の姫。 彼女たちは揃いも揃って、類い稀なる防御魔法の才能をもっていた。 そこで銀髪の姫に与えられたのが、王国の守護という役割である。 国土全体をシールドで覆い、魔獣や他国軍からの侵入を阻止するのだ。 それにより、国土を荒らされることも国民を蹂躙(じゅうりん)される恐れもなくなったセラフィールド王国は、大陸一の栄華を誇ることとなったのである。 さて、銀の守姫の初代から三代目までは、謀略によって殺されてしまった。 初代は行商人に化けて入国した他国の人間に。 次代は妹姫に。 三代目はギルドマスターに。 国土拡大を狙う他国や人間を虐殺することに悦びを感じる魔人にとって、銀の守姫は目の上のたんこぶ、邪魔な存在でしかない。 なんとか亡きものにしようと暗殺者を仕立てあげ、送り込んできたというわけだ。
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