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「『壁』に変化はありません。」
「そう・・・。」
ほぅ、と息をつく侍女。
銀の守姫が国境に張るシールドは通称『壁』と言われる。
常に張られるそれに変化がないのだから、姫の生命は無事ということだ。
そこへ、パタパタパタ、と走る音が聞こえてきた。
コンコン、バタンッ
「も、申し上げます!
陛下がっ 姫さまにお、お会いになりたいとっ」
入室を許す言葉も待たず、メイドが息も絶え絶えに侍女へ報告する。
国王と姫との定例面会まで、まだ日はあったはずである。
まさか、姫の不在に気付かれたか!?と緊張が走る。
「・・・分かりました。私が出ましょう。」
侍女が進み出る。
「メイドAはちゃんと姫さまの部屋にいるでしょうね?」
「はい、昨日から一歩も出ていません。」
「そのまま動かないよう伝えてちょうだい。」
そう言うと、侍女は国王の待つ神殿のホールへ向かった。
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