第6話

4/14
前へ
/315ページ
次へ
「・・・ん。」 ベッドの上の肢体が寝返りをうつ。 窓から溢れる日光が銀髪に当たり、雪原のようにキラキラと輝いた。 「んん・・・ん?」 瞼に光が当たり、眩しそうに顔をしかめる。 そしてようやく、ぱか、と澄んだ蒼い瞳が現れた。 「・・・え・・・と。」 (今、何時・・・。) え。 (えええっ!?) ガバッと上半身を起こすヒメ。 窓の外に見える太陽は、既に高く昇っている。 「・・・と、とりあえず仕度しないと、うん。」 多少の空腹を覚えながらも、シャワー室へ向かう。 (あら?そう言えば、昨夜はケーキ以外に食べてないかも。) ガチャ、とシャワー室に入ると目に飛び込んでくる銀色。 シャワーを浴びつつ、(いつウィッグはずしたのかしら・・・あれ、そもそもベッドに入った記憶が・・・?)等とツラツラ考える。 シャワーのおかげか、思考が段々ハッキリしてきて、誰がヒメをベッドに横たえ、ウィッグを外したのか思い当たった。 「ありがと、ククル。」 「どういたしまして~姫!」 ポンッと宙に現れるククル。 「ほら、姫。もうすぐお昼だよ。行こ行こ。」 ヒメが裸であることを気にした様子もなく、シャワー室の外へ促す。 ヒメもまたそういったことに無頓着であったから、促されるまま、一糸も纏わずシャワー室を出た。
/315ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2227人が本棚に入れています
本棚に追加