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寮を出て教室へ向かう途中、教員棟を横切ると、ちょうどシリウスが出てくるところだった。
「やっと起きたか、ヒメ・イレイス。」
呆れ顔のシリウス。
「授業に出るのは学生の務めだぞ。
自力で起きられないなら、お前が起こしてやったらどうだ。」
ヒメの横にいるククルを見やる。
「え~嫌だよ。しっかり寝ないと姫の珠(たま)の肌が荒れちゃうじゃないか。」
肩をひょいと上げて嘯(うそぶ)くククル。
「まぁ、すんなりお前が了解するとは思っていないが・・・。」
段々ククルの性格がわかってきたシリウスである。
「どうせ今から授業に出ても10分程度しか残っていないだろう、食堂に行くぞ。」
顎で食堂がある棟を指す。
「まだ食べてないんだろう?」
シリウスは早めの昼食を摂るところだったらしく、かくして、ヒメは食堂まで同行することになった。
ククルはつまらなそうに「僕、食べられないし~。」と言うと、消えてしまった。
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