第5話

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嵐のようなランチタイムが終了し、午後。 欠伸を噛み殺しながら、ヒメは中等部エリアへ向かう。 午後の授業は魔法戦闘学だ。 目をトロンとさせながらも戦闘室のドアを開けると、 「あらぁヒメちゃん、いらっしゃぁい。」 アリーがいた。 今日もバッチリメイク、ただし着ているのは上下赤ジャージだ。 (・・・目が覚めたわ。) 「お久し振りです、アリー先生。」 「あ、あの人普通にアリー先生に話してるぞ!」 「さすが先輩!」 その場にいた中等部生徒は、アリーに普通に話しかけるヒメを見て、一気に尊敬の念を抱いた。 「皆ははじめましてよねぇ。 ヒメちゃん、自己紹介お願いねぇん。」 生涯2度目の自己紹介である。 (今回は、しっかり頭に入っているから大丈夫!) ヒメは生徒たちの前に進み出ると、すぅ、と息を吸い込み、 「ヒメ・イレイスです。属性は水、雷、光です。防御魔法が得意です。『龍の息吹』に所属していて、恋人はいません。」 立て板に水のごとく自己紹介した。 アリーは「完璧よぉぅ、ヒメちゃん!」と親指を立ててくれたが、中等部生徒たちは理解が追い付かなかったようで、皆ポカンとしている。 (あれ、何か違ったのかしら?) ・・・自己紹介って、難しい。
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