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「で、どうするのかなシリウス。」
「まさか女の子を放り出したりしないよね?」というククルの言葉にグッと詰まる。
勿論、彼女の身を何処か安全な所へ運ばねばならない。
・・・そう思うのだが。
頭の中で様々な思いが去来する。
コイツは女性だが、自分の生徒だし。他に頼めそうな人もいないし。
「・・・俺が運ぼう。」
両手を差し出すと、案外すんなりとククルはヒメを渡してきた。
(・・・軽い。)
「コイツは、ちゃんと食事をとっているのか・・・。」
「姫が空腹を感じても眠気の前には無力だからね、丸1日食べない日もあるみたいだよ?」
独り言のつもりで発した言葉だったが、ククルが返答した。
(何故使い魔初日のお前が、ヒメ・イレイスの日常を知っているんだ。)
召喚されて出現しなければ、主の行動を知る術はないはずである。
不審に思ったが、口には出さなかった。
どうせ煙にまかれるに決まっている。
「じゃ、後はよろしくぅ!」
それだけ言うと、ククルは姿を消した。
残ったのは、俺とヒメ・イレイスの2人。
仕方ない、よな。
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