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翌朝。
「おい、そろそろ起きろ、ヒメ・イレイス。」
(・・・待って。)
「あと1時間・・・」
「・・・お前なぁ。それじゃぁ完全遅刻だろうが。」
(あら、侍女の声ってこんなに低かったかしら・・・。まるで男の人の声のような・・・。)
頭に浮かぶのは、銀色の瞳。
(・・・ええっ!?この声って!)
パチッと目を開けると、そこには
「やっと起きたか、ヒメ・イレイス。」
担任がいました。
「えっえええぇぇっ!!」
絶叫した10分後、ヒメは見知らぬリビングで朝食を摂っていた。
「本当にお世話になってしまって・・・。」
「次からは気をつけろよ、それから朝食はキッチリ食べること。」
テーブルの上には、クロワッサン、スープ、ベーコンエッグ、サラダ、フルーツヨーグルトが所狭しと並んでいる。
サラダに手を伸ばすヒメ。
シャクッ。
「・・・このドレッシング、美味しい。」
思わず漏れる声。
「だろ。」
優しく微笑むシリウスに、ビックリする。
(こんな顔、初めて見た。)
普段は冴え冴えとした銀色の瞳が穏やかな光を帯びている。
「・・・おい、ヒメ・イレイス?」
シリウスの目を見てピタリと動きを止めたヒメに声をかけるシリウス。
「あ、すみません。
ぼーっとしてました。」
「・・・そんなに俺の目が気になるか。」
「銀色、好きなんです。」
「・・・そうだったな。」
食事の後、シリウスに浄化魔法をかけてもらった。
「俺が着替えさせるわけにもいかないだろ。」ということで制服のまま寝ていたし、シャワーを浴びる時間も残っていなかったから。
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