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今日の午前中の授業は防御魔法学である。
クラスメイトと別れ、上級生が集まる実習室へと向かった。
「失礼します。」
ドアを開けると、50名ほどの上級生とともに
「待ってたわ!ヒメ・イレイスさん!」
ハイテンションな教師がいた。
「校長先生から話を聞いて、もう会いたくって仕方なかったの!」
ガッとヒメの両手を握る。
「私と一緒に防御魔法を究めましょう!」
なかなかに熱い教師である。
防御魔法担当教師の名はライラと言った。
眼鏡をかけた40代の女性である。
「今日は、特定の対象をシールドで護る練習を行います。」
そう言うと、ライラは生徒人数分のゴーレムを作り出した。彼女は土属性をもっているようだ。
「これから、このゴーレムを防御魔法で護ってちょうだい。」
生徒たちはシールドを展開する。
ヒメはゴーレムを見上げる。
優に2Mはありそうだ。
周囲を見渡すと、様々なシールドが張られていた。
ムラのある拙(つたな)いもの、半透明のもの、完全に透明化している上手なもの。
ヒメも面前のゴーレムにシールドを展開する。
そのシールドは、一目見ただけでは分からない(というか、目を凝(こ)らしても殆どの人には分からない)程、精巧にできていた。
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