第5話

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(・・・「ボール」ってまさか、初級攻撃魔法のことを言ってるのか・・・。) キキは頭が痛くなってくるのを感じた。 「・・・いい。」 「え?何か言った?キキ。」 「私がどっちもやる。」 キキ1人で2人とも相手するというのだ。 「そんな、両方ともなんて、」 「私はできる。」 相当の自信があるらしい。 (刃物も使ったことがないと言っていた、きっと戦闘経験ゼロだ。足手まといにしかならない。) 「私が戦うから、ヒメは私の後ろで隠れてて。」 すると、ヒメの顔がスッと無表情になった。 「・・・キキ。」 静かな声でヒメが告げる。 「私は誰かに守られるつもりはないわ。 一緒に戦わせてちょうだい。」 威圧的な声ではない。 だが、従わざるを得ない。そんな声だった。 「・・・わかった。でも負けるのは嫌だからな。」 もしヒメが負けても、自分が2人を倒せば良いだけのこと。 そう思いながらも、キキは共闘を受け入れた。 「うん、勿論、私も負けるのは嫌いよ。」 笑顔でヒメが言う。
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