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(・・・「ボール」ってまさか、初級攻撃魔法のことを言ってるのか・・・。)
キキは頭が痛くなってくるのを感じた。
「・・・いい。」
「え?何か言った?キキ。」
「私がどっちもやる。」
キキ1人で2人とも相手するというのだ。
「そんな、両方ともなんて、」
「私はできる。」
相当の自信があるらしい。
(刃物も使ったことがないと言っていた、きっと戦闘経験ゼロだ。足手まといにしかならない。)
「私が戦うから、ヒメは私の後ろで隠れてて。」
すると、ヒメの顔がスッと無表情になった。
「・・・キキ。」
静かな声でヒメが告げる。
「私は誰かに守られるつもりはないわ。
一緒に戦わせてちょうだい。」
威圧的な声ではない。
だが、従わざるを得ない。そんな声だった。
「・・・わかった。でも負けるのは嫌だからな。」
もしヒメが負けても、自分が2人を倒せば良いだけのこと。
そう思いながらも、キキは共闘を受け入れた。
「うん、勿論、私も負けるのは嫌いよ。」
笑顔でヒメが言う。
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