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(・・・失態だ・・・っ)
キキは唇を噛む。
開始の合図早々にモブリに近接し、一撃で気絶(同時に使い魔は消失)させたところまでは良かった。
その後、ヒメの助太刀をしようと振り向くと、ヒメの使い魔が相手の使い魔を蔦で絡めとっているところを発見。
(堕天使相手になかなかやるな。
植物属性魔法を使っているということは木霊(こだま)に近い精霊体なのか?)
そんなことを思いつつ、ヒメの方へ向かおうとした瞬間、
「!」
シュルルルッ
足元から凄い勢いで蔦が伸び出し、身体を拘束された。
手足はおろか、顔も固定されてしまった。
(まさか・・・っ)
ヒメの使い魔がいた所を見やると、そこには蔦に絡めとられた堕天使がいるのみ。
「ダメだよ、キキちゃん。」
「っ」
気配もなく、耳元から声がした。
目線をやると、にっこり笑うヒメの使い魔。
(私が気配に気付かないだと・・・っ)
驚愕の面(おも)もちでいるキキに頓着することなく、ククルは話を続ける。
「姫の邪魔しちゃダメじゃないか。
しばらくここでじっとしててね。」
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