第5話

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が、次の瞬間、ノーモーションでヒメの使い魔の周囲に出現したのは、数えきれない程の光の剣。 それらは誤ることなく漆黒の剣にぶつかり、光と闇は相殺されて消失した。 更に、漆黒の剣に当たらなかった残りの光の剣がタナトスへ殺到する。 ドスドスドスッ タナトスは剣によって地面に縫い止められ、張りつけとなった。 剣は見事にタナトスの衣服のみを貫いており、肉体には一切触れていない。 しかし、闇属性に一番影響力をもつ光属性の剣が身体の周囲にビッシリ刺さっているため、タナトスは身動きがとれなくなってしまった。 (何なんだ、アレは!) キキは、自分の蟀谷(こめかみ)に汗がつたうのを感じる。 先程の植物属性魔法、そして光属性魔法。 精霊は、1属性しか使えないはずだ。 天使なのだろうか?いや、金髪でもなければ翼もない。 訳のわからぬ相手に目眩がしそうだ。 そして何より、 (・・・勝てない。) 自分は植物属性魔法の不意討ちを食らったとはいえ、タナトスとの戦闘を見て、認めざるを得ない。 きっと正々堂々真正面から全力でぶつかったとしても、タナトスの「ダーク・ホール」を呑み込むほどの魔力量と、ピンポイントで大量の剣を操る技量を持つアレに、今の自分では勝てない。 これは失態だ。 相手の力量を見誤った自分の。 「・・・タナトス。」 キキは、タナトスを消失させた。 ―――――――――――――――――――――――――――――
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