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「あれ、消しちゃったの?」
まぁ、いいけど。
少し不満そうな口調のククル。
「さてと。」
くるりと首を回し、ヒメとマールを見る。
視線が合った瞬間、マールは戦慄を覚えた。
あんな化け物、果たして自分が太刀打ちできるのか・・・。
が、ククルはマールとヒメを見やると、その場に座りこみ、胡座(あぐら)をかいた。
どうやら、『介入しない』というポーズらしい。
「・・・くっ
はははっ」
たまらずマールが嘲笑する。
「なんだお前、使い魔に見捨てられているのか。」
マールの見下す視線に、ヒメは反応できない。
頭が真っ白で、動くことができない。
(どうにかしないと、いけないのに・・・っ)
「仕方がないな、それじゃあ、君を倒して僕が勝ったら、僕専用の奴隷にしてあげるよ。」
捨てる神あれば拾う神ありって言うだろう?
「君は躾(しつけ)甲斐がありそうだ。」
マールが宙に浮くヒメに掌を向ける。
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