第5話

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「あれ、消しちゃったの?」 まぁ、いいけど。 少し不満そうな口調のククル。 「さてと。」 くるりと首を回し、ヒメとマールを見る。 視線が合った瞬間、マールは戦慄を覚えた。 あんな化け物、果たして自分が太刀打ちできるのか・・・。 が、ククルはマールとヒメを見やると、その場に座りこみ、胡座(あぐら)をかいた。 どうやら、『介入しない』というポーズらしい。 「・・・くっ はははっ」 たまらずマールが嘲笑する。 「なんだお前、使い魔に見捨てられているのか。」 マールの見下す視線に、ヒメは反応できない。 頭が真っ白で、動くことができない。 (どうにかしないと、いけないのに・・・っ) 「仕方がないな、それじゃあ、君を倒して僕が勝ったら、僕専用の奴隷にしてあげるよ。」 捨てる神あれば拾う神ありって言うだろう? 「君は躾(しつけ)甲斐がありそうだ。」 マールが宙に浮くヒメに掌を向ける。
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