第5話

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ヒメが空中から地面に降り立つ。 もう、その目に怯(おび)えはなかった。 マールがヒメを見て、顔を蹙(しか)める。 「ふぅん、投降するってわけでもなさそうだな。 ・・・まぁ、いいさ。」 「僕が勝てば良いだけの話だ。 ・・・『ウォーター・ドラゴン』」 マールの頭上に水の龍が顕現する。 ヒメも掌をマールへ向ける。 「『サンダー・ボール』」 雷属性魔法、初級。 パチパチと音をたてる小さな球状の光が、ヒメの手の前に現れる。 水属性魔法中級の「ウォーター・ドラゴン」と、その威力は比べ物にならない程、小さい。 マールに余裕の笑みが広がる。 (・・・私は、斃れない。) 「行け。」 マールが水の龍をヒメに向かって放つ。 その瞬間。
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