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ヒメが空中から地面に降り立つ。
もう、その目に怯(おび)えはなかった。
マールがヒメを見て、顔を蹙(しか)める。
「ふぅん、投降するってわけでもなさそうだな。
・・・まぁ、いいさ。」
「僕が勝てば良いだけの話だ。
・・・『ウォーター・ドラゴン』」
マールの頭上に水の龍が顕現する。
ヒメも掌をマールへ向ける。
「『サンダー・ボール』」
雷属性魔法、初級。
パチパチと音をたてる小さな球状の光が、ヒメの手の前に現れる。
水属性魔法中級の「ウォーター・ドラゴン」と、その威力は比べ物にならない程、小さい。
マールに余裕の笑みが広がる。
(・・・私は、斃れない。)
「行け。」
マールが水の龍をヒメに向かって放つ。
その瞬間。
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