第5話

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「勝者、ヒメ・イレイス、キキ・ミッドガルド!」 シリウスの勝者宣告に、決闘場内がワァッと盛り上がる。 「姫、おめでとう!」 満面の笑みでヒメに駆け寄るククル。 その後ろから、ククルを睨(ね)めつけながら歩いて来るキキ。 勝利した瞬間に、ククルが植物属性魔法を解除したようだ。 「・・・さて。」 シリウスはマールとモブリに治癒魔法をかけた。 マールは「ガハッ」と口から水を噴き出すと、盛大に咳をしている。 モブリも「ハッ」と声をあげると、飛び起きた。 「では、敗者の意識が戻ったところで、勝者からの要求を聞こう。」 決闘の勝者は、生命に関わること以外であれば、敗者に何でも要求できる。 「何でも良いぞ、国外追放でも、家財没収でも、爵位剥奪でも。」 シリウスの言葉に震え上がるマール。 自分が負けることなど想定していなかったのだ。 「・・・容赦ない。」 学生の要求としては大き過ぎるのではないか、という意を含ませてキキが言うと、 「ふん。 俺の生徒に手を出したんだから、それぐらい当然だろ。」 との返し。 シリウスなりに、マールの言動には頭にきていたらしい。
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